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観光ボランティアとは?役割・メリット・課題を紹介

国際的な大型イベントの日本開催やインバウンド需要の高まりを受けて、注目されているのが観光ボランティアです。

共助社会によるボランティア活動は地域の課題解決だけでなく、シビックプライドの醸成や地域の価値向上などの効果も期待されます。

一方、ボランティアとして活動する人は多種多様であり、効果を高めるためには運営目的に沿った人材の確保や登用が重要です。

また、観光ボランティアが安心して活動できるように、管理やサポート体制を整えることもポイントになります。

この記事では、観光ボランティアの役割やメリット、課題を紹介します。

観光ボランティアとは

観光ボランティアとは、地域ボランティアの活動を通して旅行者の旅をサポートしたり、地域を案内・紹介したりする人々のことです。

その活動は町中を始め、地域で開催されるスポーツ大会や独自イベントなど、さまざまな場所や機会に広がっています。

ここでは、観光ボランティアの役割とガイドとの違いを紹介します。

観光ボランティアの役割

観光ボランティアの役割は、その地域で生活をする人ならではの視点とコミュニケーションを通じて旅行者の旅をサポートすることです

地域の魅力を掘り下げて紹介し、旅行者の満足度を高めたり、消費を促したりすることで地域経済の活性化を促進させる役割があります。

観光ボランティアは、近年人気が高まっているニューツーリズムにおける『地元の人との交流』にも貢献します。

ニューツーリズムとは、テーマ性が強く、体験や地元との交流などの要素を取り入れた新しい形態の旅行です。

観光ボランティアの活動そのものが旅行者と地元との交流につながるため、地元の人に詳しく話を聞きたいという旅行者のニーズも満たします。

また、地域によっては旅行者に対する観光案内や解説だけでなく、観光ボランティアが観光業務従事者の研修や会議での講演活動を行っています。

観光ボランティアとガイドの違い

観光ボランティアは、無償または低価格で地元を案内する活動であるのに対し、ガイドはプロとして案内を行い旅行者からお金をもらう仕事です。

ボランティアという名前がついていることから無料のイメージを持つ方もいますが、有料のケースも多くあります。

実際、日本観光振興協会が発表している令和5年度観光ガイド団体調査結果では、観光ボランティアのうち42.6%はガイド料金が有料です。

料金はガイド1人あたり1,000〜2,000円未満であり、旅行客1人あたりの料金は500〜1,000円未満が多くなっています。

観光ボランティアがもたらす価値

観光ボランティアがもたらす価値としてインバウンド対策や旅行者へのサービス向上、シビックプライドの醸成などが挙げられます。

ここでは、それぞれのポイントを紹介します。

インバウンド対策の効果が期待できる

多言語に対応できる観光ボランティアはインバウンド対策につながり、持続可能な観光の推進に貢献します。

日本料理や温泉などの日本独自の文化はインバウンドに人気があり、地域には「ここでしか体験できない・味わえない」と感じさせる要素が多くあります。

しかし、どれだけ魅力的なコンテンツがあっても、それが旅行者に正しく伝わらなければ満足度は高まりません。

観光ボランティアが訪日旅行者に地域の文化や素晴らしさを伝えることで、観光を楽しんでもらい満足度の向上につながります。

そして、地域に精通しているボランティアと旅行者が関わりを持つことで、環境や文化、経済に配慮した持続可能な観光にも発展します。

また、日本での経験をWebやSNSを通して外部に発信してもらうことで、新たな集客も期待できるでしょう。

旅行者へのサービス向上

観光ボランティアは、観光案内所や地域との交流を通して旅行者へのサービス向上に貢献し、地域経済の活性化を促します。

例えば、その地域の文化や歴史、グルメなど旅行者が知りたい情報がある場合も、観光ボランティアがいるとすぐに知ることができます。

また、観光案内所や地域とのネットワークを活かし、旅行者が求めている条件から最適なプランや訪問先の提案などを行うことも可能です。

多言語に対応している観光ボランティアであれば、言語が通じない日本において母国の言葉で対応してくれる人がいれば安心感を得られるでしょう。

旅行者へのサービス向上は、滞在期間を増やすことや新たな観光スポットへの誘客を促し、地域活性化の効果も高まります。

シビックプライドの醸成

観光ボランティアはシビックプライドの醸成を促し、地域社会の活性化や魅力の向上につながる効果も期待できます。

シビックプライドとは「自分が住んでいる地域に対する誇り」のことで、住民が郷土愛や郷土意識を持って地域を支えようとする意識を持つことです。

例えば、観光ボランティアとして地域の魅力を発信することで地域の認知度が上がると、住民も自分の住んでいる地域に誇りが持てるようになります。

誇りが持てるようになると、住民自らが地域の魅力を発信するようになり、地域の知名度も上がります。

また、観光ボランティア自身も活動を通して地域に愛着が持てるようになると、シビックプライドが高まります。

さらに、シビックプライドが高くなると定住率も向上するため、地域が抱える人口減少問題の改善も期待できるでしょう。

なぜなら、シビックプライドが高まって住みやすいという評判が広がると、新たな定住者や移住者を引き寄せる効果が期待できるためです。

シビックプライドの醸成によって住民同士のネットワークが強化されると、住民主体のまちづくりやイベントなども活発になります。

観光ボランティアの課題

観光ボランティアは地域の経済活性化に大きく貢献する一方、いくつかの課題もあります。ここでは、観光ボランティアの課題を紹介します。

観光ボランティアの属性が多種多様

観光ボランティアが抱える課題として、参加する人の年齢や職業、経験値、想いなどが多種多様であり、人間関係でトラブルが発生するケースがある点が挙げられます。

ボランティアに対する取り組みの意識やそれまでの社会経験、価値観の違いから意見がぶつかり合うこともあります。

ボランティア同士の関係が悪くなってしまうと、活動もスムーズに行うことができず、旅行者に対してネガティブな印象を与えてしまう可能性もあるでしょう。

また、ボランティアは企業と違って明確な規定が定められていないことも多いため、目的やルールが曖昧になっていることも多いです。

そのため、違反したときの退出ルールも定まっておらず、問題が起きても解決が難しいこともあります。

言語ができればいいだけではない

観光ボランティアの課題として、コミュニケーション能力や適応力が必要であり、言語ができればいいだけでないという点が挙げられます。

多言語に対応している観光ボランティアの需要は増えていますが、地元愛は強いものの、ガイドに関しては素人で旅行者のニーズに応えることができていないケースもあります。

そのため、「ボランティアの話が長い」「高圧的な態度で不愉快な思いをした」など、ネガティブなイメージを持たれることも場合もあるでしょう。

一方で、このようなトラブルが発生した場合にも無償や低価格で案内を行っているため、強くいえないという問題もあります。

そのため、ボランティア組織の組成や運営、育成などを行い、ボランティアのサポートや管理できる体制を作ることも大切です。

観光ボランティアの管理は専門会社がおすすめ!

観光ボランティアの課題を解決するためには、ボランティアの管理を専門会社に依頼するという方法があります。

ここでは、専門会社に依頼するメリットを紹介します。

調査や基本計画の策定ができる

観光ボランティア事業を検討していく場合、専門会社に依頼して調査を行うことで、活動方針や活動内容などの基本計画を策定できます。

新たに観光ボランティア事業を行うためには、ボランティアが関わる事業の位置づけや活動内容の整理が必要です。

そのためには、学校や既存のボランティア団体との連携に向けたヒアリングを行い、協議会の設置や運営を通して活動方針を決めていきます。

観光ボランティア事業を一から始めるとなると、関係団体との連携や基本計画の策定などに多くの時間を割くことになるでしょう。

その点、ノウハウやネットワークがある専門会社に依頼する場合は、スムーズな調査や基本計画の策定ができます。

実施計画や実施準備ができる

活動ボランティア事業の基本計画を策定したあとは、ボランティア事業を開始するまでの実施計画や実施準備が必要です。

例えば、活動マニュアルの作成やボランティア管理システムの設計、ボランティア募集のための広報計画などが挙げられます。

また、ボランティアの活動ルールを設け、活動拠点の確保や調整なども行わなければなりません。

このような複雑な実施計画や実施準備も、専門会社に委託することで効率よく進めることができます。

実施や運営のサポートが受けられる

観光ボランティアの管理を専門会社に依頼することで、活動の実施や運営のサポートが受けられることも魅力です。

具体的には、ボランティアセンターを設置してボランティアの管理体制を整えることや、機運醸成イベントを実施することなどです。

また、ボランティア募集広報の実施や募集サイトの開設などを依頼することもできます。

観光ボランティアの活用においては、関係組織とのネットワークや課題対応、管理体制の構築などが必要です。

これらの体制が十分ではないと旅行者への対応に問題が生じ、旅行者の不満増幅や満足度の低下につながるリスクもあるでしょう。

人材の確保や登用を行ってもらえる

専門会社に依頼することで、実施計画に基づいた人材の確保や登用などのサポートを受けることも可能です。

例えば、ボランティア面談や採用、育成、活動管理などで、適切な管理によって多種多様のボランティアが円滑に活動できるように促します。

育成についてはボランティアマインドの基礎知識から質の向上を図る研修まで、目的に応じたサポートが受けられます。

観光ボランティア事業のサポートはJTBコミュニケーションデザインがおすすめ

観光ボランティア事業のサポートは、ボランティア事業の支援実績があるJTBコミュニケーションデザインがおすすめです。

さまざまな事業運営プロデュースの経験を通して培われてきた組織マネジメントのノウハウや情報を投入し、やりがいを持って力を発揮できる体制を組織します。

大規模ボランティア管理運営という希少なノウハウを活用し、地域課題の解決や地域の価値向上、シビックプライドの醸成を図ります。

また、事務局運営や計画策定支援、募集支援、活動管理など幅広い経験があり、ボランティア活用の目的にあった提案が可能です。

さらに、ボランティア組織の組成や運営、管理、次世代ボランティアの育成研修など、多岐にわたる業務を長期的にサポートします。

ぜひこの機会に、お気軽にご相談ください。

まとめ

この記事では、観光ボランティアの役割やメリット、課題を紹介しました。

観光ボランティアは、地域に精通している人の視点とコミュニケーションを通じて旅行者の旅のサポートを行います。

観光ボランティアの活躍は、インバウンド対策や旅行者へのサービス向上、シビックプライドの醸成にもつながるでしょう。

一方で、観光ボランティアは年齢や経験値、想いなど、多種多様な人が活動しているため、人間関係でトラブルが発生することもあります。

また、旅行者への対応が不十分だと満足度の低下につながるリスクもあるため、ボランティアの管理体制を整えることも大切です。

JTBコミュニケーションデザインでは、組織構築力や運営能力、組織能力を投入し、ボランティアがやりがいを持って力を発揮できる体制を組織します。

基本計画の策定から事務局設置やボランティア募集、選考、育成、活動管理まで安定的な運用のサポートを行います。

ボランティア活用の相談についても幅広い経験を有しており、活用の目的に沿った提案も可能です。

観光ボランティア事業を検討している方や、ボランティア活用をしたい方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。

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