訪日インバウンド広告とは?種類・メリット・注意点を徹底解説
インバウンドは「外から中へ」という意味ですが、観光や旅行業界においては旅行で日本に訪れる外国人のことを指します。
現在は、円安やコロナの規制緩和などにより訪日外国人は増加しており、インバウンドビジネスが活発化しています。
そこでポイントになるのが、インバウンド広告です。
インバウンド広告は、さまざまな国から訪れる訪日外国人がターゲットになるため、日本人をターゲットにした広告とはアプローチの仕方が異なります。
また、インバウンド広告の種類は多くあるため、ビジネスの内容によって適切な広告選びも大切です。この記事では、インバウンド広告の概要や種類、メリット、注意点などを紹介します。
インバウンド広告とは
ここでは、インバウンド広告の基本概要について詳しく解説します。
インバウンド広告の目的
インバウンド広告の目的は、訪日外国人に対して観光地やその土地特有のサービス、商品などを周知し、観光地への旅行を促すことやサービス、商品の購入につなげることです。
また、訪日外国人が快適な滞在や充実した観光ができるように行動を促し満足度を高めることで、SNSやWeb等を通して情報を拡散してもらい、新規顧客を獲得する狙いもあります。
日本は、2010年代に政府がインバウンドを推進したことで訪日外国人が増加しましたが、コロナの影響によって一時的に消費が冷え込んでいました。
しかし、近年は従来のインバウンド政策にコロナの規制緩和や円安が加わり、インバウンド需要が増加しています。
インバウンド需要を取り込むためには、インバウンド広告を活用するメリットは大きいといえるでしょう。
インバウンド広告のターゲット
インバウンド広告は、以下のような訪日外国人をターゲットにしています。
- ・訪日を検討・予定している外国人
- ・日本に初めて訪れる外国人
- ・日本に滞在中の外国人
- ・再度訪日する外国人
日本に旅行で訪れるといっても背景はさまざまであり、嗜好も大きく変わります。ターゲットが明確になっていないと、関係のない広告に余分なコストをかけてしまう可能性もあります。
そのため、インバウンド広告を出稿する際には、明確なターゲットを選定したうえで訴求を行わなければなりません。
インバウンド広告の種類
インバウンド広告には、さまざまな種類があります。ここでは、インバウンド広告の種類をいくつか紹介します。
Web広告
Web広告は、WebサイトやSNSに表示される広告のことです。名前の通りWebを媒体として出稿される広告の総称です。
以下のような広告があります。
- ・SNS広告
- ・リスティング広告
- ・ディスプレイネットワーク広告
ユーザーの検索結果に合わせて広告が自動的に表示されたり、意図する広告を貼ったりなど、さまざまな種類があります。
Web広告のメリットは配信先のターゲティングを決めやすいことや効果がリアルタイムにわかりやすいこと、少ない費用から始められること、効果を測定しやすいことなどがあります。一方、インバウンド広告を出したい国に対応していないと広告効果は十分に得られない可能性があります。
JTBコミュニケーションデザインでは、ヨーロッパ、アメリカ、オセアニア、アジアの約40市場に対して、多言語かつ、対象国によって異なる消費者の嗜好や商習慣に準じたクリエイティブ展開など、デジタルプロモーションの展開を行うなど、多数のインバウンドデジタルプロモーションの実績により蓄積されたノウハウがあります。また、ログ解析ツールの活用でユーザーの動向を的確に把握し、市場ごとに最も効果的な戦術を展開することができるのも強みのひとつです。
担当者インタビュー≽
複数国を対象としたインバウンドプロモーションでのデジタル活用 (2019年12月取材)
映像広告
映像広告とは主に動画を活用した広告のことで、マーケティング戦略の選択肢として多くの行政や企業が導入しています。
動画広告は、画像やテキストに比べると視覚や聴覚にアプローチしやすいのが特徴です。映像と音声によって観光地の雰囲気や景色、グルメ、アクティビティなどをリアルに伝えられるため、これらを紹介する際に効果的といえるでしょう。
また、視覚的にアピールできるため、言語の壁があっても伝わりやすいこともメリットといえるでしょう。
他にも、タイトルを英語にしたり多言語のテロップを入れたりすることで、独自性を高めながら情報量を増やすこともできます。動画広告はYouTubeやSNS、Webサイトなど、さまざまな媒体に出稿することが可能です。
一方、デジタル広告分野では速いスピードで技術革新が行われており、日々新しい配信技術が登場しています。そのため、時代の流れに沿ったプロモーションができることもポイントです。
JTBコミュニケーションデザインでは、SNSやYouTubeStoriesなどが普及したタイミングで広告用の縦型動画の制作を提案したり、撮影時も縦型・横型両方で活用できるように緻密に準備するなど、時代ごとにユーザーのニーズに合った映像広告を作成しています。デジタル動画広告配信で広告に接触した人が実際に訪問したかどうかをトラッキングし、訪日数を把握するなど効果の検証も行っています。
担当者インタビュー≽
40ヶ国30億人以上へのデジタル広告配信実績を元に、日本文化を伝えるデジタルコンテンツを開発・発信 (2021年8月取材)
https://www.jtbcom.co.jp/article/inbound/1209.html
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングとは、SNSで多くのフォロワーを抱えているインフルエンサーに製品やサービスを拡散してもらう手法のことです。
インバウンドにおいては、日本人を起用するのではなく外国人もしくは在日外国人のインフルエンサーを起用するのが一般的となっています。
JTBコミュニケーションデザインでは、日本在住の外国人インフルエンサーに英語・繁体字・簡体字・韓国語でSNSにハッシュタグをつけて投稿してもらい、思い出や素晴らしさを発信することで、多くの外国人のSNSユーザーへのアプローチを実現しました。
在日外国人を起用することでコミュニケーションがスムーズになったり、現地の文化や生活から消費ニーズのアドバイスをもらえたりすることもメリットです。
また、在日外国人の目線で日本の良さを発信してもらうことで、日本人では気づかなかった魅力を見つけられることもあるでしょう。
担当者インタビュー≽
在留外国人インフルエンサーを通じたマーケティング・プロモーション (2022年2月)
マス広告
マス広告とは、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌などに出稿する広告のことです。Web広告ではリーチできないターゲット層にアプローチできるメリットがあります。
交通系の広告なら日本国内でも効果的ですが、観光地やアクティビティの広告のように訪日予定の外国人をターゲットにする場合は、現地のマスメディアを活用しなければなりません。
インバウンドにマス広告を活用する場合は、グローバルネットワークがある広告会社に依頼しなければなりません。
例えば、JTBコミュニケーションデザインでは以下のようなマス広告に対応しています。
<雑誌・新聞 例>
- ・旅行雑誌:イタリア,UK,オーストラリア等
- ・新聞:ドイツ,アメリカ,フランス等
- ・アメックスプラチナ会員誌
<TV放送局 例>
- ・BBC
- ・CNN
- ・Euronews
- ・NHK World
- ・National Geographic
他にも、さまざまな海外のマスメディアで現地のユーザーにアプローチしています。
担当者インタビュー≽
海外のテレビ番組を通じて、世界中へ日本の魅力を伝える (2020年3月取材)
イベント・展示会
現地でイベントや展示会を開催することもインバウンド広告の一種です。
イベントや展示会は日本のアートや食、風土などを直接現地の人に伝えることができる数少ない手段であり、リアルの場を通じて日本に関心のある外国人に訴求を行うことができます。
実際に体験できるという点では、Web広告やマス広告にはない大きなメリットといえるでしょう。これらでリーチできないユーザーにアプローチできるメリットもあります。
イベントや展示会によるプロモーションは、海外とのネットワークやノウハウがある広告会社への依頼が必要です。
JTBコミュニケーションデザインでは、以下のようなイベント・展示会を取り扱ってきました。
- ・ソウル国際観光産業博覧会
- ・香港国際旅行博
- ・中国国際旅遊交易会
- ・World Travel Markets(ロンドン)
- ・Salon des Vacances(ブリュッセル)
- ・FESPO(チューリッヒ)
他にも、さまざまなイベントや展示会を海外で行っています。
招請旅行
招請旅行もインバウンド広告の一種です。海外の旅行会社やメディアを招請し、日本を体験して母国で発信や旅行造成を行います。
日本の良さを実際に体験した海外メディアや旅行会社が母国に情報を持ち帰って拡散することで、現地のユーザーに幅広くプロモーションできることが大きなメリットです。
また、一度招請旅行をしたあとは継続的なコストもかかりません。一方、招請する旅行会社やメディアの選定を間違えると、大きな効果が期待できない可能性もあります。
そのため、招請旅行によるプロモーションは依頼する広告会社のネットワークの広さや実績が重要です。
JTBコミュニケーションデザインは、以下のような招請旅行の実績があります。
- ・欧米豪市場富裕層を顧客に持つ旅行会社の招請
- ・北海道・関西エリアの災害による風評被害払拭のための欧米旅行や会社招請
- ・東北PRのためのマレーシア旅行会社招請
他にも、メディアや旅行会社に向けた招請旅行を幅広く行っています。
インバウンド広告のメリット
インバウンドの需要が高まっている昨今、広告の重要性は年々高まっています。ここでは、インバウンド広告のメリットを紹介します。
市場拡大につながる
インバウンド広告のメリットは、新たな市場の開拓を行って市場拡大ができることです。
日本は少子高齢化が進んで消費者数そのものが減少している状況があり、それに伴い国内消費額も減っていくなか、インバウンドを対象にすることで広範囲な顧客層に製品やサービスを提供できます。これにより新しい収益源の機会創出につながり、ビジネスの拡大を実現可能にします。
今後のマーケティング施策に活かせるデータ収集と分析
インバウンドデジタル広告のメリットは、広告運用を通じてその効果やデータ収集、分析を行うことで、今後のマーケティングに活かせることです。
例えば、ディスプレイ広告と動画広告の両方を運用したときに、動画広告の効果が高ければ、「自社の製品は動画広告との相性がいい」ということがわかります。今後は動画広告への比重を高めながら新規顧客を目指すことができたり、広告費の調整ができたりなどの対応が可能になります。
主要なディスプレイ広告、動画広告、SNS広告など、デジタル広告においても様々な手法があり、世界各国で文化が異なるように、プロモーションにおいても各国で響くチャネル、表現、言葉は異なります。プロモーションの目的に応じてターゲットの最適化を図り、”伝わる”プランを選択することができるかがカギとなります。
高い費用対効果が期待できる
インバウンド広告のメリットは、高い費用対効果が期待できることです。
日本人と外国人の好みは異なることも多いですが、インパウンドデジタル広告で得られたデータから、どのような商品やサービスに力を入れるべきかヒントが得られることもあります。
JTBコミュニケーションデザインでは、該当国のターゲットの趣向を分析したうえで、最適なコミュニケーションをデザインすることを得意としています。紙媒体がよいのか、WEBコンテンツがよいのか、動画がよいのか等コンテンツ種の選定から、配信媒体を踏まえたコンテンツの展開バリエーション案、取材先との交渉含め、最適なスタッフィングでの制作を進めます。
インバウンド広告の注意点
インバウンド広告は、日本人を対象とする国内向け広告に比べてターゲティングが難しいという注意点があります。
インバウンドの需要増加に伴い、韓国・中国・台湾などのアジア、アメリカ・フランス・イタリアなどの欧米、オーストラリアや中東からも多くの外国人が訪れています。
それぞれの国によって文化や言語、民族が異なるため、ノウハウやネットワークがなければ、正しいターゲティングは難しいといえるでしょう。
また、ターゲティングができたとしても国ごとに言語の最適化が必要になり、日本語サイトを翻訳しただけのWebサイトでは十分に魅力が伝わらない可能性もあります。
インバウンド広告を検討する際には、さまざまな市場や外国人をターゲットにした運用実績がある広告会社を選定することもポイントです。
まとめ
この記事では、インバウンド広告の概要や種類、メリット、注意点を解説しました。インバウンド広告は、主に旅行で訪れている外国人をターゲットにした広告のことです。
インバウンド需要が高まっている昨今において、インバウンド需要の取り込みは利益や事業の拡大に欠かせません。
しかし、ターゲットが複数の国にまたがることで言語の最適化やターゲティングが難しいという課題もあります。
JTBコミュニケーションデザインでは、多彩なソリューションと蓄積された知見で実現する効果的なインバウンドマーケティングをサポートします。
豊富な実績や経験に基づいたデジタル広告、メディアプロモーション、マーケティング、イベント企画まで、インバウンドに関わるプロモーションをトータルコーディネートしています。
また、現地で多くのユーザーにアプローチできるマスメディアをはじめ、ターゲットを絞った雑誌、新聞での広告などの実績も多数あり、さまざまな角度から、効率の良いアプローチが可能です。
「インバウンド需要を取り込みたい」「インバウンド集客を伸ばしたい」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。